読書の「ど」!だしの神秘(伏木亨 朝日新書)(1月9日)
いいと思ったら、新書でも、文庫でも、マンガでも、ジャンルは問わず読む「かねとしの 読書の「ど」!」、今回は「だしの神秘」(伏木亨 朝日新書)です(感想には個人差があります)。
今夜も冷えるそうですから、「鍋」の方も多いと思います。
会社の近所のうどん屋さんからは、時間帯にもよりますが、「うどんだし」のいい香りが漂ってきて、食欲をそそられます。
では、その元となる「だし」とはいったい何なのか?
本書では、その「だし」の持つ秘密について、詳しく、そしてわかりやすく具体例や科学的な実験を通して解説されています。
根本的な問題で「だしとは何?」ということがあります。
この「だし」の正体は、第一は昆布からとれる「グルタミン酸」や「アルギン酸」などのアミノ酸、鰹節や煮干し、魚貝などからとれる「イノシン酸」「グアニル酸」などの核酸成分からなるものであるといいます。その効果は、一方だけでは強くないものの、その両方がうまく合わさった場合には、相乗効果を発揮してさらに「うまみ」を強めるといいます。
第2は、複雑な香りからなる「匂い成分」(成分には光と影があり、好ましいものも好ましくないものも含みます)、そして第3は我々の活動の源となるエネルギー(カロリー)なのだそうです。
それを定番に「日本のだし、世界のだし」について、「だしのルーツを探る」、「最高のだしをつくるための 材料と技術」、などを章立てて解説されています。
また最後の章では、日本の「だし」がこの先どうなっていくのか、あるいはどうなって行くことがいいのか?などについても、述べられています。
どちらにせよ、毎日の食事がおいしいのは「だし」の存在を抜きには考えられません。
本書は、そのことを改めて感じて、考えさえてくれる一冊です。
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