読書の「ど」! 鍋奉行犯科帳 お奉行様のフカ退治(田中啓文 集英社文庫)(3月2日)
いいと思ったら、新書でも、文庫でも、マンガでも、ジャンルは問わず読む「かねとしの 読書の「ど」!」、今回は「鍋奉行犯科帳 お奉行様のフカ退治」(田中啓文 集英社文庫)です(感想には個人差があります)。
大坂の西町奉行の大邊久右エ門。彼にはまた別の名があります…「大鍋食う衛門」…食べることに人一倍の興味を持つ御仁で、何につけても三度の飯が最優先でやる気なし…に見えた奉行でしたが、実際は、仕事のできる(周りのサポートあって)奉行なのでした。
父の代からの与力・村越勇太郎、ひょんなことからこの奉行と深くかかわることとなります。
実は勇太郎、元芸子の「すゑ」が母親で、大邊が大阪で船奉行をしていた頃に、すゑを勇太郎の父が大枚をはたいて身請けしていたのでした。
そんな環境の勇太郎ですが、大坂の市中で起こる様々な事件を通して、謎解きを始めます。
前作に引き続き、市中で起こる様々なことから事件が解決に導かれます…そしてそれぞれに食べ物の話がついてきます。
第1話「ニシンを磨け」では、乾物屋で作る株仲間を牛耳ろうと画策する業者と、ある藩で起こった武芸でのトラブルが、うまい具合に物語の中で絡み合って解決されてきます…しかもその解決には必ずと言っていいほどに「美味しい料理」が絡んできます。
第2話「お奉行様のフカ退治」では、大坂に川に現れた非常に大きなフカ(サメ)の退治をする話と、浄瑠璃の師匠である綾音に付きまとう「ある人物」に絡んだ物語が、これまたうまい具合に絡んで、展開します。
そして第3話「苦い味わい」では、釣りの天才・三平が川で見たという「河童」に絡む物語と、すっかり寂れた神社に現れるという「化け物」と、大名が発券する「紙幣」の偽札が出回る事件が、うまい具合に絡んで展開します。
どの話も、肩がこらない「お気楽(?)」な物語で、一気に読み進められます。
興味のある方、是非一読をお勧めします。
続巻も出ているようです。読んでみたいですね。
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