« 気のみ記のまま雑記帳(10月29日) | トップページ | 金曜時点 天皇賞(秋)予想(10月30日) »

2015年10月29日 (木曜日)

読書の「ど」! 武士道ジェネレーション(誉田哲也 文芸春秋)(10月29日)

10月27日から11月9日までは「読書週間」です。
読書にはいい季節です。どんどん読みましょう!

いいと思ったら、新書でも、文庫でも、マンガでも、ジャンルは問わず読む「かねとしの 読書の「ど」!」、今回は「武士道ジェネレーション」(誉田哲也(ほんだ・てつや) 文芸春秋)です(感想には個人差があります、また物語の重要な部分にも触れますのでご注意を)。

Cimg9521



今作は、前作で高校を卒業し、新たな進路を目指した磯山香織と甲本早苗の大学卒業後の二人の物語となっています。
高校卒業後、二人ともまずは大学進学を果たします。
早苗は、授業の中で自分が期待していた「歴史観」を持った教授の授業が受けられなくなって「歴史観」で悩むこととなりますが、悩みながらも大学を卒業することができ、恩師である小柴の紹介で母校・東松学園高等部の事務職として働くこととなります。
一方、いい意味で剣道馬鹿である香織はというと、何とか大学を卒業できたものの、教職課程は履修できずに、桐谷道場を手伝うこととなるのでした。
そんなある日、桐谷道場の道場主・桐谷玄名先生が病に倒れ、道場の面倒を見られなくなります。本来ならば道場を手伝っている沢谷充也が道場をついででもやるべきなのですが、玄名先生がそれを許しません…その理由は「警視庁をやめてはならぬ」ということでしたが、実はそれにはもっと深い事情があるのでした。
病に倒れた玄名先生の生活の面倒を見るために早苗は道場に通うようになります。そしていつしか、充也と恋人の仲になり…結婚することとなります。
香織は相変わらず剣道に打ち込む日々が続きます。そんなある日、充也が在米時代に知り合ったアメリカ人・ジェフを連れてきます。充也がジェフを沢谷家に招き、充也・早苗・香織、そしてジェフと食事をすることとなるのですが、早苗とジェフは、ひょんなことから歴史観で対立します。それはいわゆる「自虐史観」であったり、戦争で勝った側の理論であったりします。その場は気まずい雰囲気のままでお開きとなります。
道場の跡継ぎの件、やはり充也には道場を継がせないと玄名先生は言います。そして充也は道場を存続させるために、今まで伏せられ、世に出ることのなかった「ある秘密」を香織に打ち明け、香織が「その秘密」を受け継ぐことを条件に道場存続の道を探るのでした。
道場は無事に存続できるのか?
それとも…。
そして最後には、思いもよらぬ展開が待っています。
一応今巻は「シックスティーン」からのシリーズで巻末では「完」となっていますが、まだまだ続きそうな感じを受けます。

 

あらすじはこれぐらいにして、感想を。
シリーズの最終巻(巻末まで読めば、そうでないと思うのですが)として、全3巻に比べて、物足りなさを感じます。
その物足りなさの原因はなにか? 個人的には「香織と早苗」の二人の視点からの物語だったものが、今巻もその体をとりながらも、道場を継ぐための条件としてのある「秘密」を受け継ぐ努力をする香織と、すっかり主婦になってしまった剣道をしない早苗の視点の物語になって、前3巻に比べて淡泊だったからか、と思います。

それに加えて今巻では「武士道」に絡んで「歴史観」の話が出てきます。

武士道…この言葉や内容を「本来の純粋な意味」でとるか、「自らの所属する所属する組織のため、その組織の目的達成のために都合よく解釈し利用する」かで、確かに日本の歴史に大きな影響があったことは、良きにつけ悪しきにつけ否定はしません。
ですが、今巻で唐突に持ち出さなくても…とは思います。
作者の誉田氏が、何らかの危惧を持っているからこそ、持ち出されたものであることはわかりますが、正直、物語の流れとしては唐突な感じを受け、ちょっと残念でした。
あと、道場を継ぐための「秘密」に部分も、そのような分野に暗い私にとっては、退屈でした。
それ以外には香織と早苗の後輩である田原美緒、福岡南でライバルだった黒岩伶奈、同じく福岡南の剣道指導の吉野など、懐かしいキャラクターも出てくるのは、後日談的で面白かったですね。

これでこの物語も終わりか…と思うのですが、最後では充也と早苗の息子・英斗が出てくるし、香織自身も結婚(相手については本書をお読みください)していますから、香織と早苗の次の世代の話…つまりは「ネクストジェネレーション」として、新刊が出る日もあるのでは?と期待してしまいます。 

 

ちなみに「武士道-」シリーズのうち、「武士道シックスティーン」は映画化されています。
映画「武士道シックスティーン」では、香織を成海璃子、早苗を北乃きいが演じています。
最初に見たときは「ミスマッチ」かと思ったのですが、原作を読むと、その雰囲気にぴったりな配役です。
そのほか、香織の父・磯山憲介(いそやま・けんすけ)を小木茂光、早苗の父・甲本肇(こうもと・はじめ)を板尾創路、東松学園剣道部顧問・小柴を堀部圭亮が演じていますが、こちらも原作のイメージによくあっています。
もし映像化するとしたら、今作での登場となった充也は岡田准一、玄明先生は…ちょっと思当たる人いませんが、コミカルな感じだと西田敏行でもいいかなぁと思います。

|

« 気のみ記のまま雑記帳(10月29日) | トップページ | 金曜時点 天皇賞(秋)予想(10月30日) »

コメント

このまま物語が終わる…という感じではなくて、次につながるような終わり方です。
次回作が出ることを期待です!

投稿: かねとしがばなー | 2015年10月29日 (木曜日) 22:44

やはり少しもの足りませんでしたか
早苗が剣道から離れたからかもしれませんねー
子供に対しては普通の親ばかになってますしねー
でも香織が変わらなかったのでなんとか収まりました
しかし香織は結婚できるのか~
婚約はしてるみたいですが こちらのほうが心配です

投稿: 夢人 | 2015年10月29日 (木曜日) 16:47

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 読書の「ど」! 武士道ジェネレーション(誉田哲也 文芸春秋)(10月29日):

« 気のみ記のまま雑記帳(10月29日) | トップページ | 金曜時点 天皇賞(秋)予想(10月30日) »