読書の「ど」! モラトリアムシアター produced by 腕貫探偵(西澤保彦 実業之日本社文庫)(12月22日)
いいと思ったら、新書でも、文庫でも、マンガでも、ジャンルは問わず読む「かねとしの 読書の「ど」!」、今回は「モラトリアムシアター produced by腕貫(うでぬき)探偵」(西澤保彦 実業之日本社文庫)です(感想には個人差があります)。
舞台は飛行機で東京まで1時間ほど、関東地方以外の地域にある国立大学がある櫃洗市(ひつあらいし)です。
その櫃洗市にある私立の女子高メアリィ・セント・ジェイムス女子学園(通称MSJ)の春から英語の非常勤講師として勤務することとなった住吉ミツヲが主人公です。
ミツヲが担当することなった高等部の英語教師や講師には、なにかしら秘密があるようで、ミツヲが着任する一年ほど前には、英語の非常勤講師の男性が「失踪」する、という事件も起きているのでした。
そしてこの高校に櫃洗大学で事務をしていた女性が勤務しており、どうやらその女性の近辺では「その女性に絡んだ人物の家族などに死人が出る」などという、都市伝説が付きまとっているのでした。
そんな状況下で、ミツヲはある日、事件に巻き込まれ、逃亡する身となります。
その逃亡を助けるのは、MSJで教え子の遅野井愛友(おそのい・あゆ)、その母親の「ともゑ」、愛友のおばで大富豪の探偵「月夜見ひろゑ」、ミツヲの母であり住吉グループのオーナー「ユリエ」、ミツヲの妹「ユリエ」…そして、このユリエの知り合いで「ダーリン」こと「櫃洗市役所 一般苦情係」の職員である「腕貫探偵」の面々。
複雑に入りこんだ事件は解決するのか、そして何やらミツヲ自身に絡む「ある出来事」についても解決が図られるのか…読みどころです。
興味のある方は、一読ください。
個人的には、謎解きの部分がちょっと乱暴で、物語の筋も幾分かわかりにくい(話の構成上のためでしょうか?)ものに感じられましたし、肝心の「腕貫探偵」の活躍も少なく、シリーズ初の書き下ろしの長編なのですが、ちょっと不満です。
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