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2014年3月28日 (金曜日)

読書の「ど」 獣の奏者 外伝 刹那(上橋菜穂子 講談社文庫)(3月28日)

いいと思ったら、新書でも、文庫でも、マンガでも、ジャンルは問わず読む「かねとしの 読書の「ど」!」、今回は「獣の奏者 外伝 刹那」(上橋菜穂子 講談社文庫)です(感想には個人差があります)。

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先日報道されていましたが
※「児童文学のノーベル賞」、上橋菜穂子さんに(ヨミウリオンライン 14年3月25日より) 
「児童文学のノーベル賞」と呼ばれる「2014年国際アンデルセン賞」の「作家賞」に上橋菜穂子さんが選ばれたとのこと。
日本人では1994年のまど・みちおさん以来20年ぶり、作画賞も含めると4人目の受賞だそうです。

で今回は、その上橋さんの書かれた「獣の奏者」シリーズの一冊です。

今作は「獣の奏者」シリーズの外伝です。

これまでのシリーズ中では描かれなかったエピソードが扱われています。
「綿毛」ではエリンの母・ソヨンのエリンの父との出会い、自身の出自にかかわること、そして「幼い日のエリンとの思い出が語られます。
「刹那」では、エリンと「堅き盾(セザン)」だったイアルとの出会い、エリンとイアルが二人で過ごしていく日々、イアルの生き別れになった母と妹との再会、そしてエリンの出産が語られます。
「秘め事」では、エリンの恩師であり、カザルムの教導師長であるエサルの、これまたエリンの恩人であるジョウンやその友人ユアンとの関わり合いや、エサル自身のことが語られます。
「初めての…」では、エリンとイアルの間に生まれた息子・ジェシとの日常が描かれています。

もちろん、どの物語も、本編では描かれなかった、あるいは描ききれなかった物語として、物語を補完するような形になっています。
それでいて、本編との結びつきは濃密で、本編を読んだことのあるものにとっては、ある意味「満足できなかった」部分をすっきりさせてくれます。
また、シリーズ最終巻での展開を知っているものとしては、エリンやイアル、ジェシ、そしてエリンに関係する人々がどうなるかを知っているので、読み進めていると、なんだかこのまま物語が「終わり」を迎えずに、続いてほしいとさえ思います。

巻末のあとがきで、この物語が「外伝」として描かれたのは、「本編の中でこれらのエピソードを書くことは「余分な一滴の水」であった」といい、あえて本編を「完璧な球体」であるとして「物語の臨界点を超えない」ようにしたためだとの言葉があります。
いま思えば、だから、本編は余分なエピソードがなくとも読み応えのある物語になっているのだなあと、感心しました。
うまく言えませんが…読み終えるのがもったいない気がする一冊です。
もっと素晴らしく詳しい解説については、巻末に中江有里さんのものがあります。
是非そちらをお読みください。

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