読書の「ど」! 山内一豊の妻の推理帖(鯨 統一郎 光文社文庫)(10月23日)
いいと思ったら、新書でも、文庫でも、マンガでも、ジャンルは問わず読む「かねとしの 読書の「ど」!」、今回は「山内一豊の妻の推理帖」(鯨 統一郎 光文社文庫)です(感想には個人差があります)。
(C6876)
鯨統一郎…まったくジャンルの広い作品を書かれる方です。
織田家馬廻役で石高50石にすぎなかった山内一豊に嫁ぎ、内助の功で夫を出世させたという言い伝えのある、妻の千枝が活躍する物語です。
織田家の中で起こる様々な事件を、一豊から聞いた千枝は、一豊との「閏(やね)」の際の交わりの時に感じるインスピレーションで謎を解いて、夫に授け、夫はその謎解きを披露することで、時の権力者から信頼を得て、最後には土佐一国の主となる物語です。
実際はどうであったかは、想像に任せる以外ないのですが、このような想像の物語もできるのだなあと、感心します。
推理の方はちょっと強引かもとは思いますが、破たんなくできています。
ただ、「謎解きは閏(やね)の交わりの後で」みたいなことで、謎解きは鮮やかでも、あまりいい気持ちはしません。
物語としては、十分に楽しい出来となっています。
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